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12月27日

年末、いちおう人様なりに、せめて書斎のけじめいささかなりとつけようと、片付けにかかる、まず手近の原稿、ゲラの類い頁をそろえることから始め、整理できなかった新聞雑誌の切り抜き、ザット眼を通し、半ば以上、ゴミ袋へ収納、この二月、少し精出して文字を書いたから、「資料」が散乱している。これを元の姿に戻すのが一苦労、そもそもこの「書斎」を自称の空間、20年以上掃除をしていない。片付けているうち、本の並べ方が気になり、埃も同様、棚をから拭きしつつ、天井に得体の知れぬゴミがツララの如く下っていれば払い、自分では不都合に思える箇所が、つまりアラが目立ち、うんざりしてしまい、あげく酒。この酒についてはつくづく弱くなったと思い知らされた、本気で断酒しないと命は確実に縮まる実感があった。
2002年については言うべき言葉もない。一つ間違うと、世界中が「血と泥」「虐殺と飢え」「非業な死」充ち満ちる、逃げ場はない。だが、生きている以上、迎えなければならない。「もの斥る夜は長さや」の問いに、「明けぬ夜はない、しかしまだ夜のさなか」と問答している頃はよかった、積極的に「夜」を明けさせなければならない。2002年、読書界のベストセラーは「生」「老」「いやし」に「日本語」「ハリーポッター」後は相も変わらぬタレント本。
ぼくは、「小説」を書き続ける。ホームページ、メール・マガジンも、朝起きたら、とにかく3,4行でも書く。
まだ書斎ヒッチャカメッチャカ。そうだ2002年、小生の身に起こった変事、40数年間、不変の体つきが5キロ肥り、この脂身、みな腹部に付着、ズボンすべてはけなくなった。まあデブデブ肥って、来年は、机にへばりついていよう。もっとも、春たけなわの頃、、ビッグエッグで、コンサート、成功したら、全国各地、廃虚と化しつつあるサッカー場で、ツアーの予定。では、片付け再開、まだ夜は明けていない。
2003年、世界はどうなろうと、あなた様におかれまして、悔いのない一年であることを心より祈念します。(また、くどくどと長くなっちゃいました、反省)

野坂昭如




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