ホーム > 旅の果て日記

4月17日
主治医より、判定を受ける。左下半身異常は、軽い椎間板ヘルニヤ、コルセットで様子をみる、しかしと、その他、加齢による当然のわが身体メカニズム疲弊のしるしを指摘される、これまで、酒による肝のダメージばかり気にしていた。土曜日まで入院。講演会、TV出演、対談、打合せすべて、今をはやりの和泉流で押し通す。食欲なく、お粥と梅干し。こういう時、すべて戦時中を思うと、気落ちしない。ただ便秘がおそろしい。かって1度もない、便意がありながら、しゃがんで、ケロッとしているのは、何とも落ち着かない。イキめば、血圧に悪いだろうし。不知入眠。以後、こうなったらみんな調べてもらうつもり、睡眠時無呼吸症候群をはじめ、ヘモグロビンがどうした、カリュウムがこうした、眼まで検査。


20日

晴、暑い中を退院。れっきとした老人故、MRIを除き、安い。コルセット着けると、不快感半減、薬をかえりゃ、血圧120台、ただし、心臓は少し疲れているらしく、来月、また調べる。庭は、5日見ぬ間の草ボウボウ、ボギー、初めてみせる歓迎のあらわなふるまい、猫たち、ギョッとしている。しかし不安感はわだかまっている。おいおい、このまま寝たきりになるのか。不知入眠。このところ眠剤常用。


21日
雨。じっとして、邦人作家小説を読む。


22日
曇。文藝春秋社からの「文壇」本屋の店頭に並ぶはず。献呈申し上げる方々への手紙少し書く。禁煙を決意。便どうやら少し。食欲もどる。


23日
曇。じっとしている。ヨーグルトなど食べてみる。買い置きの、スープ、非常食に手をつける。NHK資料読む、すでに大幅おくれ、しかし、昔をよみがえらせると、一字も書けない、何をかいても、違う感じ。8月6日から、9月いっぱい、その気になりゃ一日一日思い出せる感じだし。


24日
曇。元経団連会長斉藤英四郎氏逝去。新潟高校先輩、20年ほど前よく逢って、なにしろ新日鉄の御大、あの頃、日本の鉄鋼は韓国に押され始めていた。逢うたびハッパをかけ、斉藤さんから、重役に迎えたいと、もとより冗談ながらいわれた。享年90歳、18上だったのか。



ホーム > 旅の果て日記

野坂昭如オフィシャルサイト nosakaakiyuki.com
(C)Akiyuki Nosaka. All Rights Reserved