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4月25日
曇。7,00am起。TBSの番組のため、小泉某宛て手紙書く。昭和10年代前半生れは、戦争について、もっとも危険な考え方をする手合いが多い。なまじ少し、時代の雰囲気を心得、大人たちの言葉を耳にしている。橋本小渕森小泉、みなこの世代。近頃、子供の年頃としゃべる、まあ、対談なのだが、お座敷が多い。こっちは熊谷次郎直実の心意気だが、先方は、遠野地方の老人に、古くから伝わる話を聴く柳田国男風。すべて、語尾が疑問形。そうそう日本昔噺しの語り手扱いされても、困る。夕刻、雨。


26日
曇。4,00am起。歌人斉藤史逝去の記事。史刀自の父上は陸軍中将で、やはり歌詠み、この父娘の場合、露伴と文、鴎外と茉莉と較べてどうだったのだろうか。睡眠不足のせいか体調よくない、義歯が合わず、左頬が腫れ、終日ぐったりと読書。わが町内会、役職名簿が送られてきた、会長以下すべて女性、男女機会均等はどうなってるんだ。このところ、断続睡眠2時間、3時間、一度、ぶっ続けに7,8時間眠りたい。


27日

晴。毎土曜日、ラジオ、TVに一身を捧げるのだが、本日は休み、声も出ない、さらす面でもない。新刊贈呈の署名。原稿7枚辛うじて書く。終日、食欲皆無、断食。連続飲酒の日々を思えば、どうってことはない。11,30pm眠。


28日
3,30am起。6,00am眠。9,30am起。3,00pm眠。6,00pm起。血圧高め。考えてみりゃ、ゴールデンウィークの始まりついぞこれに特別な関りはないまま。講和条約発効50周年、昭和27年のあれこれ思う、小滝橋、戸塚、林町、大久保、野方、沼袋、桃園町と転々、アメリカ中古衣料行商で儲けてはいた。同年で、まともに大学へ進み、単位修得の手合い、就職活動、田中角栄さんの会社へ、来年卒業の男を同行、越山先生に、職を直談判。友人2人が女と同棲したのもこの年だった。10,00pm眠。


29日
1,00am起。冷凍庫の笹巻き寿司、チンして食う、3人前くらい平らげ、なお、サツマ揚げとみて同じくしたら、ビスケットだった、棄てる。寒い。4,00am眠。5,30am起。今日は日継ぎの皇子の生れ給いし佳き日なり。俳優日下武史、監督山田太一、叙勲の栄、おめでとうございます。晴。寒いが、少し走ってみる。なんと老犬ボギー、後脚をいためたらしく、ついてこようとしてよろける。よほどの歳らしい。こんなに寒い天長節は初めて。少し原稿書いて眠。うつらうつらと気づけば夕刻、かくの如くしてボケていくのか。冷凍庫の緊急事態用握飯、自然解凍で食う、芯のある感じ。三食分ほど食う、かなり自虐的気分になっている。降圧剤切れる。明日は病院と銀行へ行かねばならぬ。



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