ホーム > 旅の果て日記

6月22日
曇。起4,30am。今日あたり夏至であろう、一年でいちばん日が長い、つまり遊ぶ時間がたくさんあると、これがバカバカしいとはしゃいだのは、♪いつのー日かァ。今の子供も、夏至も冬至も春分、秋分も心得ないんじゃないか。何を書く気もしないまま、TVタックル。収録スタジオで川向こうへ行くたび、隅田川沿い高層アパート林立の風景に驚く、あのてっぺんあたりで生れ育った子供と、郊外の平屋とじゃ、かなり性格に差が出るんじゃないか。帰途、銀座で天丼。あたりのブランド店ウインドウを視察、このての店で買物をしなくなって久しい。10,00pm眠。


23日
1,30am起。このところ、よく眠ったつもりが3時間半、なんとなく心萎える、月末締切の小説書く、梅雨寒、セーター類仕舞い込んだから、重ね着。Wカップ韓国4強入り、われながら素直に、「よかった」と感じ、つれて闇市の頃、朝鮮人は喧嘩となると、「蹴り」「頭突き」だったことを思い出した。そう観ているわけじゃないが、サッカーなるゲーム、どこがおもしろいのかさっぱり判らぬ。判るのは、控えのゴールキーパーの胸のうち、出ている同輩の、致命的ミス、怪我を願い、そういう自分を罪深く感じて、悶々としているような気がする。中継TVのカメラワークの手際よさには驚嘆、反則スレスレのチャージ(というのか、要するに双方の体が接触するプレイ)、ラインを出るか出ないかのボールを、克明にとらえて、これはラグビー中継と比較にならない、まあ、オフサイドがさっぱり判らないのだから、所詮、縁はない。この日、睡眠、7,00-10,00am、4,30-6,00pm、このところ、こういうパターンが多い、数え合わせりゃ8時間だが。眠11,00pm。原稿3枚。


24日
起2,30am。曇。小説少し書く。われより年長で、小説誌常連、またよく単行本の上梓されるのは、陳瞬臣、津本陽、佐野洋、いずれも時代、推理作家。もっとも佐野の作品は推理に違いないが、当節を写す。御送付いただく同人誌の中に、大正生れの方の執筆の多い一冊があり、中に90近いと推察される作家がいらっしゃる、時間空間いっさい無視、てにをは自由奔放、前衛小説の類いかと、読み進むうち、見当がついた、わが小説も、自分じゃ気づかぬが、若い連中には、こんな風に読まれているのかもしれないと、ゾッとする。渋谷、愛知歯科。帰宅後、NHK教育TV出演のための衣裳調べ、連続9回、オンエアは8月5日から9月いっぱい、ジャケット3,パンツ6,スーツ2,考えこむうち眠。5,00pm、散歩がてら下高井戸、そば屋へ入ろうとして財布忘れていることに気づき、古書店で千円借り、鴨なんば。スーパーで籠いっぱい詰めこみ、レジで懐中無一文だと、どうなるのか、レジスターに打ち込んだ後だと、たいへんだろう、付け馬が来るか。家へ辿り着き昏睡。



ホーム > 旅の果て日記

野坂昭如オフィシャルサイト nosakaakiyuki.com
(C)Akiyuki Nosaka. All Rights Reserved