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6月25日
起2,00am。文芸誌10枚書く。純文学に立ち混じっての「Wカップ」観戦記、編集者の御苦労よく判るし、このての文章こそ書き手の才能が問われる。多分、われが最年長、勝手気ままに文字を連ねる。このところ「長生きも芸のうち」を身に沁みて思う、小学校を別に、中、高、大学と、ぼくは最上級生になったことがない、ラジオ、TV業界じゃ、年長者だったが、永、青島、大橋が巾をきかせていて、年上など屁の支えにもならぬ、小説業界でも、昭和7,8年生れが、わがデビューより10年くらい早く文壇に登場、肩身がせまかった。そして今、小説の分野で「風俗」なら、まず年長組、TVヴァラエティ、トーク番組では多分、最年長、歌手としても、シャンソンの分野を除けば長老じゃないのか。ようやく「上級生」になれた、威張れる、ここで死んでなるものか。よって食事にいっそうの配慮、高齢者によろしきものはすべて摂取、朝、少量の味噌でかきまわした納豆、ニンニク入り玉葱炒め、大ぶりの鯖半身、ホーレン草のおひたし、南瓜煮付け、ジャガ芋サラダ、スッポンスープ、飯。昼、そば。夜、肉少量に、山盛りの野菜炒め、飯。醤油抜き、味噌汁も止め。レモン1個、グレイプフルーツ1個、ヨーグルト。机辺にはナッツ類、時につまみ食い。他に100%トマト、林檎ジュース、烏骨鶏黒酢。毎日は無理だが、平均、日に1万歩は歩いている勘定、7月から泳ぐ。ダンベル体操は止め。とぎれとぎれの睡眠だけはいかんともし難い。4,00pm、成城に用があり、歩くうち、向うから、スーパーの袋ぶら下げた年寄りが、ヨタヨタやって来る、長部日出雄。帰途、小田急世田谷代田で、上りのホームベンチに、リュック背負った小沢昭一、熱心にスポーツ新聞を読んでいた。Wカップ関連じゃなく、競馬の記事だろう。帰途、昏睡。11,00pm起、栄養分補給して、小説4枚。いつしか眠。


26日
曇。起3,00am。むやみに寒い。猫のため床暖房入れる。もうじき初誕生日迎える雌のニコ、3度目のシーズンらしい、避妊を考える。恋猫はうるさいが、なにやらあわれ、兄だか弟だか、すぐに去勢したアル、心配そうについて歩く。6,00am、寝てしまい、不燃ゴミ出せず。10,30am起、小説書く。出盛っている桃のなるべく赤いのを、皮ごと煮て、少しワインを入れて食べると、免疫性を高める、種を割って中の実に、なお効き目あらたかなのだそうだ。昔、梅干しの種をしゃぶったあげく、種の中のちいさな奴を食べた、神戸では、「カンノン様」といった、つまり浅草寺の御本尊、巨大な伽藍に祀られていても、高さ3寸5分、小さいことからの命名だろう。桃の種は知らなかった、そういえば桃太郎の生まれた桃のタネは、どうなっていたのかね。明日、買って試してみる、夜に入って雨。Wカップ、ブラジル・トルコ戦少し観る、この球技、まったく興味を持てないが、日・トルコ戦と較べると、いかにも格が上の感じ。PKの際、並んで守る側、みな下腹部を手でカバーしているのは、身につまされる。小説書きつゞけ、白々明けに至る、といっても3枚。葉書通書き、可燃ゴミを雨中に出し、保坂正康編集「昭和史講座」読むうち眠。



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