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7月14日
5,00am起。曇。血液サラサラ食にうんざり、しじみの味噌汁、鯵干物、温泉卵、山芋、海苔、納豆、烏賊しおからで飯2合。原稿5枚。12,00、ホテルで仏TVプロデューサーと逢う、フランスでわが小説7点上梓されている。これを読み、あまりにも、これまで彼の地に紹介された、ミシマ、オーエ、アベ、エンドウその他と毛色が違う、そこで、ムッシュノサカそも何者ぞというわけ、国営放送が興味を抱き、「全身野坂」を、55分の番組にまとめたい、1年前からの話で、いよいよプロデューサー来日。「自分を一言でいうと、どうなるか」の問いに、「われいまだ戦争から抜け出せないでいる」「つまり、まだアメリカは敵か」ウーン、そういうんじゃないんですけどねぇと、3時間、通訳氏2人を介して、しゃべる。帰途、ペットショップで犬猫野鳥の餌を求め、紫外線を気にしつゝ帰宅。午睡1時間。これがうまくいって、元気溌剌、サラサラ食後、原稿、文芸、娯楽誌ひっくるめ、くだらない小説ばかりと、意気軒昂、そしてすぐ、老人性躁鬱かと反省。以後、ボヤーッとしたまま眠。


15日
晴、風少し。起4,00am。膨大な量の可燃ゴミ出す。うっかり扉閉め忘れ、新入りの猫2匹、初めて庭に出る、共に座りこみ、身を寄せ空をながめ上げている。このおっとり猫、もし遠出して、戻れなくなったら、長くは生きられないないだろう、そして、アフガニスタンの子供を思い、ゴミ袋に考え込み、1人くたびれる。ゴミ棄ては、常に一番のりだが、俺っちの廃棄物で、カラス除けネットいっぱいになった。3,00pm、対談。お相手は、小学生の頃から顔だけは知っている女性、とりとめないまま、一種、内輪話になってしまう。この類い、お相手はまずわが子の世代、どうしても、当方、東野地方の老婆、先方は柳田国男の感じ。帰途、下高井戸へ寄るも、また店屋品切れ、台風が近づいているらしい。戻って、そばを食い昏睡。



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