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1月22日
晴。とにかく奇っ怪な夢を見て、その夢を何度もなぞるうちに忘れる。今日は沖縄行き。西永福から井の頭線、山手線、品川で乗り換え家からほぼ1時間で羽田着。スーパーシートに乗り込んだはいいが、後の客が物凄いイビキ。到着まで、睡眠不足を補うつもりがかなわず。那覇空港に小場さん、及び講演会主催者が迎えに来てくれる。ホテル着。窓から覗く夕暮れの海、やや風が強く荒れている。白波を眺めて、気がつくと2時間経っていた。読もうと思った本、書こうと思った原稿、手つかずのまま。せっかくホテルにいるのに風呂に入らず。本日の主食ホカ弁。


23日
午前2時起。感染症なる本を読む。あらゆる抗生物質も効かないウィルスの世界的流行を扱った小説。何度も出てくるテーマだが、そのたび恐ろしさを確かめ、つくづく抗生物質のよく効いたわが世代の幸せを思う。今結核は世界的に以前より猛威をふるい、年間300万人無くなっている。必ずしも貧しい層と限っていない。
つまり、一番新しいと言われている抗生物質に対する耐性菌が増えている。やがて日本でも問題になるはずだが、厚生労働省はいっさい触れない。パニックを恐れているらしい。夕方6時豊見城市講演会。インフルエンザ流行の沖縄にも関わらず、大勢のお客。終って、鮨を少しだけ食う。


24日
早朝目覚め、執筆のつもりが、ただひたすら海と空ばかり眺めている。11,50amの飛行機で沖縄を離れる。
夕刻帰宅、以後原稿少し書く。年来のテーマについては書けず、呆然と過ごす。


25日
晴。4,00am起。少し暖かくなるのを待って、資源ゴミ出す。到着した娯楽雑誌をざっと読む。とてもこの調子の小説は書けないと半ば諦め、半ば馬鹿馬鹿しいと考えるうち、TBSより迎えの車、「永六輔その新世界」に出演。よく考えてみると永六輔はしゃべっているようで結構聞き上手、番組を長く続ける、これも才能だろう。


26日
晴。勤め人でもないくせに、日曜日というと何となく休んでもいい気分。まったく無為に過ごす。無為には違いないが、書かなければという強迫観念がつきまとう。散歩に出る、最初の500mぐらいやや足が重い。その後はいくらでも歩ける感じ。こののっけの足のだるさは何だろうか、簡単にいえば歳のせいだろうが、どうも認めたくない。




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