ホーム > 旅の果て日記

2月24日
小説家町田康氏とトークショウ、「野坂昭如リターンズ」(国書刊行会刊)の刊行記念に来ていただいた。彼の作品の文体とは違って、喋るときは寡黙な印象。恐らく後世に残る、ということが必ずしも誉め言葉ではないが、今現在いる若い小説家のなかで、恐らく彼が一番だろうと思う。終了後飲みに行くが、なんのことはないこっちも禁酒、町田も禁酒、お互い様ウーロン茶を飲みながら3時間以上過ごす。


25日
晴。各種支払いの日で朝から銀行。本来ならカードで出来るところ、ぼくは旧態依然として窓口へ行く。昔、窓口には美人がいた、今もいらっしゃるのだろうが、往年の好みからすると皆無愛想である。アメリカの場合、窓口の女性と金を預けた人間に、将来恋愛に結びつくやりとりがあるらしいが、ぼくには全く無い、まことに残念。いったいどれぐらい待ったのか、窓口で交渉する人たちはすべて年寄りで延々話し込むため、文庫本2冊ぐらい簡単に読めてしまう。


26日
晴。庭の手入れ。そろそろ暖かくなって、芝生のなかで一番早く芽を出す雑草、とてもかわいらしいく見える。これが5月になるとまるで武蔵野ヶ原というと大袈裟だが、とんでもない状態になる。にしても今摘むのはちょっと可哀相に思う。鳥も多くなってきた。夕刻執筆。


27日
可燃ゴミ。カラスがぼくに親しみを感じてきたらしい。周辺を5,6羽ちょこちょこ歩いている。ちょっと小狡い眼がいたずらっ子のように見える。午後、神田川散歩、鯉があちこちに見えるようになった。餌をやるおじさん、これだけが楽しみのように見える、ぼくもそのうちの一人か。ただ鯉の口はちょっと卑しい。


28日
ひたすら終日原稿。


3月1日
9,00am、迎えの車に乗ってTBSへ。出演者の朗らかな調子につられて、こちらもついつられて何だか自分とは違う人格になった感じでペラペラとしゃべる。次の出番まで控室へ、矢崎泰久と昔話をする。編集者だった彼は、最近自分でものを書くようになった、物書きとして輝かしい存在になると思う。ぼくの勘は割と当る。


2日
締切が迫っていると自覚しつつ、ぼけっとして過ごす。







ホーム > 旅の果て日記

野坂昭如オフィシャルサイト nosakaakiyuki.com
(C)Akiyuki Nosaka. All Rights Reserved