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4月4日
晴。桜満開。午後インタビュー、主題そっちのけで、質問者の所持する最新携帯電話の機能説明を受ける。パソコンキーボード練習ソフトがあるという、ボケッとしている時間が多い、やってみるか。しかし、新幹線グリーン車でノートパソコンに向っている奴、貧乏くさい印象。


5日
終日原稿、机に向ってはいる。ギュンター・グラス「蟹の横歩き」読むうち、つい寝てしまう。目覚めて再び執筆。


6日
晴。風肌寒い。1,00pm高校同学年会。会場はアメリカ大使館に近い高台の、高層ビル46階。平均年齢72、みな若い。われ氷水、以前、飲めなかった手合いがガブ飲み。この歳になると、話題はまた女に戻る。ヴァイアグラの注文受ける、自爆エロか。


7日
薄晴。前夜より徹夜、起2,00pm。ヘリコプターの轟音入り乱れ、家の真上を4機、旋回している、ここで爆弾落されたらと逃げ道考えるうち、通りすがりの男性、甲州街道に面したマンション火事を伝える。申し訳ないが、散歩がてら見に行く。消防車12台、梯子車3台、貯水車2台。すでに鎮火の様子、どこが火元か判らない。酸素ボンベ背負い耐熱服ものものしき消防士3名。バクダッドでイラク人のこんな姿発されたら、「生物化学兵器防護服多数発見」ということになるのだろう。薬品、化学製品関係の工場、この種の兵器工場と見分けはつかない。イラク攻撃の「大義」発見に焦る感じ。何かといえば、「オウム」でさえ「サリン」を造ったという。本格的にサリン、VX製造となると、完成品の取扱いがたいへん。ナチスドイツは成功しながら、使用者側に被害が出ると中止。ミサイルと、化学、生物兵器なるものをセットし、恐怖を煽るのはよくない。


8日
各種ゲラ手入れを終え、野良猫に餌、久しくあらわれなかった白黒燕尾服みたいなのが痩せ衰えた姿をみせる。帝国ホテル製ハンバーグを解凍して与える。庭の雑草はや生気横溢、雨なれば棄ておく。桜、満開後、寒さぶり返し風また強い。井の頭公園に発する神田川の花筏、眼にするには何度も通わなきゃならない。



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