最も人気の高い日本映画

最も人気の高い映画監督として知られる黒澤明がかつてこう言いました:「役者の役目は、目をそらさせないことだ」と。そこで私たちは、一度見だしたら決して目をそらすことができないような最高の映画を厳選してみました。

日本の映画界は90年代半ば以降停滞気味ですが、多くの人が再び映画の黄金時代がやってくると信じています。

パプリカ – 今敏

『パプリカ』 は小説を基にした日本アニメの代表作です。予想以上の反響を呼び、米国でも人気を得て広い範囲で放映されました。これはS F系心理スリラーで、あっという間に観る人を悪夢の世界へと引き込みます。

この映画は医師、千葉敦子が自分の患者たちの夢の中へ入り込み、探偵パプリカの役割を担います。しかし千葉敦子が患者たちの夢の中へ介入するデバイスが盗難に遭い、悪意ある目的のために利用され、ストーリーは紆余曲折していきます。探偵パプリカは日本市民の精神疾患を防ぐべく、患者たちの夢の深層部を探っていきます。

この映画では事実とフィクションの境界線が曖昧に描かれていますが、いつか誰かが人間の夢に入り込むことができた暁には、この混沌を晴らすことができることでしょう。

東京物語 – 小津安二郎

『東京物語』は静かで落ち着いた映画ですが、家族の悲哀が盛り込まれています。日本の南西部に住む高齢の隠居夫婦を中心としたストーリーです。この夫婦は東京の子供たちを訪ねることにしたのですが、子供達は日々の生活に追われ両親と過ごす時間がとれません。未亡人となっている義理の娘だけが彼らの相手をする努力をしてくれました。

しかしこの老夫婦は子供達のことを恨むでもなく、子供達の気持ちを汲みながら時間を過ごした後、帰って行きます。『東京物語』は人生について、また、運命に逆らわずに生きて行くことについて考えさせられる映画です。

殯の森  – 河瀬直美

『殯の森(もがりのもり)』は2007年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞しました。インパクトが強く、感情を揺さぶられるこの映画は、真千子という若い女性を中心に描かれています。彼女は一人息子を失い、その死をめぐって自責の念にとらわれています。

映画の舞台は、真千子が介護士として働く高齢者のグループホームです。彼女はそこで、妻を失い老人ホームで暮らすことを余儀なくされた滋樹と出会い、奇妙な友情を育てていきます。ある日、彼らの乗っていた車が故障し、2日間に渡って森の中をさまよい始めます。

『殯の森』は癒し、友情、そして許容をテーマにした物語です。

かぐや姫の物語

『かぐや姫の物語』は10世紀の日本民話「竹取物語」が基になっています。監督は高畑勲で、完成までに8年を要しました。全て線画で描かれています。

主な登場人物である讃岐という名の竹取翁は、手の平に乗るほどの小さな赤子を見つけます。彼はその不思議な赤子を家へ連れて帰り、その子がみるみる成長して美しい女性に育っていくのを妻と共に見守ります。讃岐はより家族に良い生活を送らせようと、もっと大きな町へ引っ越すことを決断するのでした。